本当のコト。
身支度を整えて
あとはコートを着るだけ
6「ななこちゃん、おいで」
7「しわになっちゃうょ、ろくちゃん」
6「ちょっとなら大丈夫だょ」
お布団の上にごろんとして
7「ろくちゃんの腕、気持ちいい」
ぎゅっとくっついた
6「ななこちゃん、それを言うなら僕の腕の方だね、絶対。」
更にぎゅっとくっつく
7「ねぇ、ろくちゃん覚えてる?
初めて病院で二人きりになっちゃった時のコト。」
腕まくりした白衣から覗くキレイな腕
6「ん?、あぁ。。。」
触りたくても触れなくて
7「急に二人きりになっちゃったから、どこ見ていいのか分からなくて、ろくちゃんの腕を見てたの」
今はこうして触れられる
6「覚えてるょ、勿論。
僕ずーっと喋ってたょね(笑)
ななこちゃん、」
何年経っても、幸せ
7「ん?」
6「二人きりになったの、偶然だと思ってる?(笑)」
私しか知らない本当のコトがあるように
ろくちゃんしか知らない本当のコトもある
あの日偶然二人きりになったコトを
運命みたいに感じて思い出す度嬉しかった
でも、
このパターンも
めちゃめちゃ嬉しい。
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