67。

私が好きになったろくちゃんはお医者さん、既婚者でした。そんな彼とのあれこれを綴ります。

夏。

7「朝からずっと幸せ」




6「良かった、僕も・・・・ぷっ」




続きを言いかけて、ろくちゃんは吹き出した




7「? どうして笑うの?」




6「いや、」




前にもあった




7「可笑しかった?」




6「ううん、ごめん(笑)

いや、ななこちゃんってさ、なんてゆーか

んー、絶妙だょね」




7「・・・?何か気に触った?」




6「そうじゃないんだ

よくニコニコしてくれるし、ありがとう、幸せって言ってくれじゃない?」




7「???」





6「そう言ってくれるから、もっとしてあげたくなっちゃうんだょ」




7「・・・あ、ありがと・・褒めてるの?」



6「褒めてるょ、いや、でも絶妙。

絶妙に男としていいプレッシャーなのかも」










(ノ゚Д゚)ノ









7「!!!


ごめんね

でも本当に幸せな時に幸せと、嬉しい時にありがとうと、言葉にしているんだけどな・・」





6「分かる分かる、だから男としては本望なんだょ(笑)

そしてね、もっとこの子のために尽くしたいって思うんだ」








そう言って


白くて長い愛しい指で私の頬を撫でる









7「嫌いにならないで」



6「ほら(笑)、そうゆうとこ、ななは絶妙だな。

追いかけてるのは、いっつも僕だょ」






いつも優しいろくちゃんが

強く私の両手首を掴みベッドへ押し倒す




6「ごめん、痛かった?」




7「うん、でも痛いのも好き」




6「なな

今日は明るいままでもいい?」




7「ダメ」



6「ダメ」



















夏休みは母全開。

それでいい、

それがいい、

それが幸せだってコトも分かってる




でも、







暑い夏の日

ろくちゃんはお医者さんじゃなくなって

私は母じゃなくなって


1日デート、今年も水遊びへ











水の音

蝉の声


目を閉じ


肩を寄せ願ったのは






いつまでも思い出せますように

誰の心にも留まらない私達を

いつまでも


私が、思い出せますように







そう願ったこの瞬間の私は、



女だ。


















「蝉って1週間しか生きられないっていうじゃない?あれって違うんだょ」


この日、ろくちゃんの沢山のお話の中で

思い出すのは蝉のお話と



「追いかけてるのは、いっつも僕だょ」









そんな風に感じていたんだ


そんな風に感じている恋は辛くないのだろうか




お互いに。

夫。

7「ろくちゃん、そちら側に座ってもいい?」



6「え?でもこっちじゃ座り心地悪いだろうしそっちがいいんじゃない?」



7「・・・ん、ありがとう。

でも今日はそちら側がいいな、いい?」




6「いや、そっちがいいょきっと」





私は1度拒まれたら、2度言わない

でもどうしても左側に座りたかったから2度言ったけれど


2度拒まれた。




7「そうですね、ありがとう」




もぅいいや

3度言ったら理由を聞かれてしまうもの。




6「食べないの?」




7「ごめんなさい、なんだかお腹が痛くなってきて」




6「え!大丈夫?触診していい?」




7「ここでは大丈夫、後で」




6「そうだょね、うん、分かった。早めに出ようね」




お腹は痛くない

ただ

仲良く朝食を食べる気持ちにはならず





7「ありがとう。」





カフェを出てお部屋へ向かう頃には

気持ちは沈みまくっていて





7「ごめんなさい。今日はダメだと思う・・・」




6「そんなの全然いいんだょ!少し休もう」



いや、そゆことじゃなくて・・・



7「あ・・、うん」





お部屋に着いてからも

気持ちが元に戻らなかった




6「今日はマッサージさせてくれる?」




7「ありがとう」




なんだか申し訳ない気持ちにもなってきた・・・





7「ろくちゃん、今日は一緒にお風呂でのんびりしない?」




6「え!いいの?!」



可愛い・・・・






********************







7「そっちに座ってもいい?」




夫「ん?いいけど、そっちの方が眺めいいょ?」




7「そうだね。でも、今日はそっちがいいな」



夫「いいょ、俺左側の方がイケメンだし」




7「(笑)そだね」




スムーズ・・・・・・













私は左腕に痣がある

夏はノースリーブばかり着るので痣はコンシーラで隠すけれど時々忘れちゃう


痣がある方に好きな人を座らせたくない


でも、

好きな人に"痣があるからそっちに座りたい"と言えない・・・とにかく痣の話に触れられたくない。



ろくちゃんが2度拒んだのは優しさからなのは分かる

分かるけれど2度食い下がった私の気持ちを汲んでほしかった



夫は普段ワガママを言わない私の"要望"を理由も聞かずに笑いを加えつつ汲んでくれた






比べたわけじゃないけれど・・・










夏休み。

学歴のない私があっちもこっちも宿題を必死にみるのもしんどいのに

宿題中に喧嘩をしちゃう子供達


もぅ!となっちゃった私

しゅんとしちゃう子供達

それを見てしゅんとしちゃう私




夫「パパの大事な可愛いママを、ぶさいくにしたのは誰だ!」




子・私「・・・ぷっ」





ガラッと空気を変えてくれる








子「ママって学校出たの?」



私 「パパ程の学歴はないけれど、高校は好成績で卒業したんだからね!」



子「いや、小学校。」




(  Д ) ゚ ゚酷い・・




夫「待て待て待て(笑)

ママは可愛いだけでいいんだぞ。」




子「笑」




ありがとう。




私「ママにもお勉強教えてくれるかな?」



子「いーよー」








母でいるのも幸せ


私はこれ以上何を望んでいるのだろ


どこで踏み外しちゃったんだろ


その罰は


いつか私にだけ下りますように。





6月。いいえ、もう7月です。

どこか苦しい6月を

毎年、ろくちゃんが温かくしてくれる





6「納豆の日だねー」




7「ね。

ろくちゃん、7月も仲良くしようね」




6「勿論!」




7「ろくちゃん。

6月も、優しくありがとう」





言えた。



どこか苦しい6月が過ぎてホッとしてる

もしかしたら、ろくちゃんもかな。









少し、スピードダウンして

お互い苦手な夏の暑さを乗り切ろうね。